今や日本人の2人に1人が「がん」にかかるというほど、「がん」は他人事ではない病気です。これまで、「乳がん」「子宮体がん・子宮頸がん」についての話をお届けしてきましたが、今回は、科学的に立証されている、がんになるリスクを減らす方法をご紹介していきます。
自分でできる、がんの予防方法です。国立がん研究センターをはじめとする研究グループでは、日本人のがんの予防にとって重要なこととして、6つのことを掲げています。
「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」「感染」です。
順番に少し補足していくと、
1「禁煙」がんを予防するためには、最も効果的なことは、たばこを吸わないことと言われています。日本の研究では、がんになった人のうち、男性で30%、女性で5%はたばこが原因だと考えられています。また、本人が吸っていなくても、人のタバコの煙(受動喫煙)も、健康被害を引き起こすことがわかっています。できる限り、避けたほうがいいです。
喫煙しているという方も、手遅れではありません。今すぐ禁煙するか、あるいはその努力をすることで、長期的な健康被害の可能性を大幅に低減できることもわかっています。
2「節酒」お酒を控えること。
たくさんのお酒を飲むことでがんのリスクが高くなることがわかっている。女性の場合は、乳がんのリスクが高くなることが示されています。お酒は日本酒なら一日1合程度、(ビールなら大びん1本、ワインならグラス2杯)程度までにするのがいいでしょう。
3「食生活」塩分のとりすぎ、野菜や果物をとらない、熱すぎる飲み物や食べ物をとることが、がんの原因になることがわかっています。1日あたりの食塩摂取量は、男性は8g未満、女性は7g未満にすることが推奨されています。また、厚生労働省策定「健康日本21」では、1日あたり野菜を350gとることを目標としています。熱すぎるものは、少し冷ましてから口にするように気をつけてしましょう。
4「身体活動」運動です。身体活動量が高い人ほど、がん全体の発生リスクが低いです。がんだけでなく、心疾患のリスクも低くなることがわかっていて、死亡リスクを低くすることがわかっています。どれくらい身体を動かすといいかと言うと、ウォーキング程度の運動なら、1日60分することが、推奨されています。
5「適正体重の維持」太りすぎでも痩せすぎでもよくありません。適正体重の維持を維持しましょう。目安としては、男性はBMI値21~27、女性はBMI値21~25の範囲になるように体重を管理するのがいい。
BMI = 体重kg ÷ (身長m)2
6「感染」日本人のがんの原因として、女性で一番、男性でも二番目に多いのが「感染」です。予防接種で防げるものもあるので、正しい知識を持って、行動していきましょう。
このうち、「感染」以外の最初に言った5つのことは日頃の生活習慣に関わるものです。これらの5つの生活習慣に気を付けて生活している人とそうでない人では、将来がんになる確率はどれくらい違うのでしょうか。
国立がん研究センターの研究で、40歳から69歳の男女、およそ14万人を対象に、生活習慣とがんやほかの病気にかかったどうかの追跡調査を実施しました。その結果、この「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの健康習慣を実践する人は、0または1つ実践する人に比べ、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが低くなるという結果が出ています。
また、生活習慣を整えることは「がん」リスクを下げるだけでなく、体調がよくなり快適な毎日につながりますよ。
さぁ、今回は、女性に多いがん「乳がん」「子宮がん(子宮体がん・子宮頸がん)」についての情報をお届けしました。世界にたった1つしかない自分の心と体、誰が大切にしますか?あなたです。大切にしていきましょうね。
NPO法人ちぇぶらでは、体のケアと更年期の知識を伝える活動をしています。全国で健康に関する講座をお届けしたり、本を出版したり、またYouTubeちぇぶらチャンネルでは、女性の健康・更年期を快適にごきげんに過ごすためのヒントやアイデアを発信しています。症状別の対策エクササイズ方法などもご紹介しているので、よければ日頃の健康作りにお役立てください。
最後に、がんから人生を守るためにできることをまとめると、
・正しく知ること、
・生活習慣を整えること、
・健康診断やがん検診を受けることです。
これらは、必ずあなたの人生を守ってくれます。
一度きりの人生も、一生付き合っていく心と体の健康も、正しく知って、自分で主体的に選んでいきましょう。というので、最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!!
参考元:
(※1)国立研究開発法人国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/index.html