<ご相談>
最近人と話すときに、相手が何を言っているのかが分かりづらかったり、あまり話の内容が入ってきません。耳が遠くなったような気がするのですがなにか対策はありますか?(49歳 女性)
「家族にテレビのボリュームを下げてと言われる」
「相手の会話を聞き返すことが多くなった」と言う事はありませんか。
もしかしたら耳がダメージを受けているのかもしれません。
耳の聞こえが悪くなると、生活がしにくくなったり、 外出先で 車や自転車が近くに来てもその音に気づかないなど危険が多くなったり、また認知症のリスクも上がってしまいます。そこで今回は、更年期からの耳を「守る方法」、そして「鍛える方法」をご紹介いたします。
大事なポイントは1つ。
「有毛細胞(ゆうもうさいぼう)」をこれ以上減らさない!
有毛細胞(ゆうもうさいぼう)
内耳の内部で、音の振動を電気信号に変えて脳に伝える役割をしている。加齢や騒音などの影響で傷つき、壊れてしまうと音を感じ取りにくくなる。(厚生労働省 eヘルスネット)
有毛細胞は、加齢とともに壊れてしまうものでもあるのですが、
それ以外に有毛細胞が壊れてしまうリスクを生活の中からできるだけ減らしていくっていうことが大切です。
・ヘッドホンやイヤホンに注意!
大音量で音楽などを聞き続けることにより、有毛細胞が徐々に壊れていきます。
・騒音の場所に注意!
たとえば工場などでの大きな機械音、工事の音、ライブやコンサート、パチンコ店内などの大音量を聞いていると、有毛細胞がダメージを受けてしまいます。
これらによって起こる難聴は少しずつ進行するので気付きにくいです。
有毛細胞が壊れてしまったあとは、聴覚は失ったままとなり戻りません。
対策としては、
音量を下げる、連続で使用せず耳を休ませる、
工場などの大音量の職場などでは耳栓をするなど。
聴力を回復させる対策はTSCトレーニング!!
有毛細胞が完全に壊れる前であれば、耳を安静にすることで回復します。
または、thresholds sound conditioning*といって、認知できる最小の感覚(聞こえるか聞こえないかギリギリ)の小さな音を聞くことで、有毛細胞が刺激されて、回復されるという研究があり、トレーニングとして使われます。
スタンフォード大学の研究者によると、 このトレーニングを行ったことで世代にかかわらず、78%の方が大幅に聴力が改善したことを示しています*。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7314479/
AudioCardioという聴覚を強化する無料アプリもあるそうです。
・聞こえない場合は、恥ずかしがらずに補聴器をつけること!
聴覚が失われるとそこを使っている脳が萎縮してしまいます。 それが認知症の原因になっているのではないかと考えられています。また、聞こえないと、人とのコミュニケーションを避けがちになってしまいますし、うつうつとした気分にもなりやすくなります。
聞こえない場合は放っておかずに、補聴器を使うことがとても大切です。
補聴器は音が聞こえていい、というだけでなく、聞けることで脳内の聴覚神経が刺激されるので、脳を健全に守ってくれる働きをしてくれます。
なので、 聞こえにくいと言う場合は放っておかずに、かかりつけの耳鼻科や総合病院などで早めに相談をされてください。
永田京子