心と体

知ってる?「乳がん」のホントの話

こんにちは。NPO法人ちぇぶら更年期トータルケアインストラクターの永田京子です。今回は、女性に多いがん「乳がん」について一緒に学んでいきましょう!

・乳がんとは?
・乳がんの症状について
・乳がんセルフチェック
・乳がんの原因について
・自分でできる予防方法
・乳がん検診について

乳がんとは

「乳がん」この名前聞いたことありますよね。実は、女性のがんの中では最も多いがんです。日本全国で1年間におよそ9万2千人が乳がんと診断されます。

これは、およそ日本人女性の11人に1人が発症している割合です。
40歳代から発症する方が多く、30歳から64歳までの若い女性の死亡理由のトップでもあります。しかし、早期発見、早期治療でで95%以上が治るがんでもあります。(※1)

少し詳しく見ていきましょう。乳がんとは、どこにできるがんなのか。

乳房は、主に、母乳をつくる乳腺と、それを包む脂肪組織でできています。
乳がんはこの乳腺の組織にできるがんのことで、多くは乳管(母乳の通り道)から発生します。

よく、女性だけのがんと思われるのですが、男性も乳がんになることがあります。その場合も多くは女性と同じように乳管からがんが発生します。

 

乳がんの症状について

乳がんの主な自覚できる症状は、乳房のしこりです。ほかには、乳房にえくぼやただれができる、左右の乳房の形が非対照になる、乳頭から分泌物が出る、などがあります。

変化が、自覚できる。そうなんです。乳がんは自分で見つけることのできるがんです。

お風呂に入ったり、着替えるときなど、日頃から、自分の乳房を見て確認したり触れたりという、セルフチェックをしましょう。

ただし、セルフチェックでは見つけられないこともあるため、定期的に乳がん検診を受けることがとても重要です。もし、気になる症状がある場合は、他の病気やトラブルが隠れている可能性もあるので、早めに乳腺専門医を受診し、早期発見につなげましょう。

乳がんセルフチェック

乳がんが発生しやすい場所としては、乳房を縦と横に4つに分けて、
一番多いのは乳房の外側の上の方(全体の53%)、
次いで乳房の内側の上(19%)、
外側の下(14%)、
内側の下(6%)、
乳首付近(4%)の順です。

出典:東北大学病院データ(2011-2014年)

乳がんのセルフチェック、自己触診の方法をご紹介していきます。

毎月1回行ってみてください。乳房の状態は月経周期によって変化するため、チェックは毎月1回、同じタイミングで行うと小さな変化にも気付きやすくなります。
いつすればいいかというと、月経のある方は、生理が始まってから1週間後頃を目安にしてください。この時期は、バストが柔らかくなるため、セルフチェックしやすいからです。
また、閉経後は、毎月、日程を決めて行いましょう。

チェックする範囲は、鎖骨から肋骨の下まで、外側は脇の下までチェックしてください。

ステップ1は、見てチェック!引きつれや、くぼみ、左右の違いはないか、いつもと違うところがないか、確認してください。

ステップ2は触ってチェック!4本の指を揃えて指の腹を乳房に押し付けるようにして渦を描くように指を動かしてチェックします。
また、乳腺を確かめるように、上下に指を滑らせてチェックします。

ちぇぶらと小牧市のリーフレット ちぇぶらと小牧市のリーフレット

こちらの乳がんのセルフチェック方法は、NPO法人ちぇぶらのHPからも無料でダウンロードできるようにしてあります。
よかったら、「ちぇぶら」で検索して、お役立てください。
(小牧市×NPO法人ちぇぶら 協働事業で制作のリーフレットより)

乳がんの原因

乳がんの発生には、女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっていることが知られています。なので、女性として生まれただけで、すでにリスク要因を持っているということです。

また、他に、乳がんを発生するリスクを高める要因として、

①家族内で乳がんにかかった人がいる(おばあちゃん、母、姉妹に乳がんにかかったことがある方は、より注意が必要です)
②初潮が11歳以下と早く、閉経が55歳以上と遅い
③初産年齢が30歳以上、出産経験がない

などです。

さらに、飲酒、閉経後の肥満、運動不足といった生活習慣も乳がんを発生するリスクを高めると考えられています。

乳がんの予防

現代では、完全に乳がん発症を予防する方法はありません。
しかし、がん発症のリスクを下げる方法はわかってきました。

国立がん研究センターの日本人を対象とした研究によりますと、がん予防には「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」(感染予防)の5つの生活習慣が効果的といわれています。
動画の最後に詳しく説明しますが、

中でも乳がんを予防するためには、飲酒を控え、閉経後の肥満を避けるために体重を管理し、適度な運動を行うことが良いと考えられています。

乳がん検診について

乳がん検診、受けていますか?
受けてください。がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。
40歳以上の女性は2年に1回、乳がん検診を受けましょう。
ほとんどの市町村では、検診費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担で検診を受けることができます。

検診の内容は、乳房専用のレントゲン検査である、マンモグラフィ(乳房X線検査)と問診が主になります。

ただ、乳腺の密度が高い高濃度乳房(デンスブレスト)の人は、がんを見逃しやすいので超音波(エコー)検査との併用が勧められています。
自分が、デンスブレストかどうかは、マンモグラフィの画像を診断する時にわかります。乳腺濃度の低い順に
脂肪性(fatty)
乳腺散在(scattered)
不均一高濃度(heterogeneous dense)
高濃度(extremely dense)
の4段階に分けることが決められています。後半の2つ、
不均一高濃度(heterogeneous dense)
高濃度(extremely dense)
がデンスブレストにあたります。

また、検査の結果が「要精密検査(がんの疑いあり)」となった場合は、後回しにしないで、必ず精密検査を受けましょう。

乳がんは、日本人女性の11人に1人が発症しています。他人事ではありません。しかし、早期発見、早期治療でで95%以上が治るがんでもあります。

では!最後に乳がんから人生を守るためにできることをまとめると、
セルフチェックをすること、乳がん検診を受けること、そして、生活習慣を整えることです。

一度きりの人生も、一生付き合っていく心と体の健康も、正しく知って、自分で主体的に選んでいきましょう。というので、最後までご覧いただき、ありがとうございました!!

参考元:
※1 人口動態統計2018年(厚生労働省大臣官房統計情報部編)
※2 公益財団法人日本対がん協会リーフレット
※3 国立研究開発法人国立がん研究センターhttps://ganjoho.jp/public/cancer/breast/ など