<質問>
もう長年、腰が痛いです。整形外科に行っても異常がないのに痛いです。これは更年期によるものでしょうか。対策方法があれば教えていただきたいです。(50代・女性)
「腰の痛みが3か月以上続く…」この症状を「慢性腰痛」と言います。
腰の痛みの原因はいくつかあります。しかし、腰自体に問題がないのに痛いときや、腰の問題が治っても痛みが続く場合があります。「慢性腰痛」は、特に、男女共に30代から50代の方に多く、その原因は「ストレス」かもしれません。
ストレスと腰痛の関係
慢性腰痛は、脳と大きな関係があります。
腰が痛いと、その痛みのお知らせが脳に届いて、ドーパミンなどの痛みを和らげるためのホルモンを出します。 すごく楽しい時や何かに熱中しているときに「痛みを忘れていた」と言う経験はありませんか??そう、ドーパミンが分泌されていると「痛い」というお知らせが脳に届かなくなるので、あまり痛くなくなったり、痛みを忘れます。
しかし、長期間、ストレスを感じていたり、不安、うつうつとした状態、常に心配事がある状態がつづくと、脳がドーパミンなどの痛みを和らげる物質を出しにくくなります。
すると、普段なら気にならないような、少しの痛みでも、とても痛く感じることがあります。
そこで、慢性腰痛の対策を ご紹介していきます。
慢性腰痛の3つの対策ケア
その1 慢性腰痛をケアする運動
毎日、ちょっとした運動をすること。適度な運動は脳がドーパミンを出すので、腰の痛みを和らげる力が強くなる、最もかんたんな方法です。また、 腹筋や背筋が鍛えられれば、腰への負担が軽減されるので、本当の腰痛の原因を防ぐことにもつながります。
ウォーキングや、軽いジョギングなども良いのですが、ここでは簡単に椅子に座りながらできる腰痛予防の体操をご紹介していきます。(方法はYouTube動画をご覧ください♪)
椅子に座りながらできる腰痛ケア体操1
1)椅子に背もたれがあるつもりで、後ろに上体を20度ほど傾けて10秒間キープ×3セット
このとき、 恥骨からおへそまではまっすぐになる状態をキープしたまま行います。腹筋がしっかり使われているのが感じられると思います。
椅子に座りながらできる腰痛ケア体操2
1) 椅子に座り、恥骨からおへそまでが床に対して垂直の状態をキープ。
2) 左足を右足にかけ、足を組む。
3) 上体を右へひねり、そのまま10秒間キープ。自然呼吸を繰り返す。戻る。
反対側も同様に行う。
上半身をまっすぐキープしたまま捻ることで、体幹部の力が鍛えられます。腹筋や背筋が鍛えられれば、腰痛の予防解消効果に効果的。また、血流が良くなることで痛みを和らげる効果も期待ができます。
その2「前向きに考えてみる」
「全部できないとダメ」と思わないこと。たとえば、「腰が痛くて何もできない」と思うのではなく、「痛いけど、これだけはできた!」とポジティブに考えることです。
ポジティブに考えることが難しければ、少し無理をしてでも、できたことを言葉にしてみるといいです。「痛かったけど、買い物に行けた」みたいに。そして、それができた自分を褒めましょう。「よくがんばった」、「諦めずにできた私は、すごいじゃないか」と。このように考え方を少し変えると、気持ちが楽になり、ストレスが緩和されて本当に腰痛が改善されることがあります。
その3 好きなことをして、楽しむ!
「何かに夢中になっている時、痛みも忘れていた」と言う経験はありませんか?
痛みばかり考えると、それがストレスになってしまいますが、好きなことや、楽しいと感じることをすると、脳がドーパミンを出して、腰の痛みを和らげる力が強くなります。
そんなこと言っても、痛みが先に来て、好きなことを考える余裕がない!と言う方は、まずは紙に自分の好きなことリストをリストアップしてみましょう。
お気に入りのカフェに行く、おいしいデザートを食べる、映画を見る、友達と話す、何でもオーケー。 書き出したら、どれか1つをぜひ実践してみてください。
腰の痛みは辛いですが、運動をしたり、考え方を変えたり、好きなことをすることで、少しでも楽になるかもしれません。とはいえ、辛い時は、我慢せず医療機関の受診も大切です。毎日をより元気に過ごすために、自分に合ったケア方法を探して実践してみてくださいね!