日々のこと

更年期のサプリメントの選び方と活用について

<ご相談>
疲れやすく、フルタイムの仕事後、すぐに眠くなってしまい帰宅後は食事5人前、親の介護食を作りますがヘトヘトです。サプリメントでも取り入れようかなと考え中です、選び方を教えてください。(40代 女性)

仕事だけではなく、家族のこと、親の介護と忙しく、 気がついたら自分の事は後回しになりがちな更年期。上手に栄養を取り入れておきたいものです。
最近は、コンビニとか薬局、ドラッグストアなどでも、多くの種類のサプリメントが並んでいます。そこで今回は、更年期とサプリメントの上手な活用方法というテーマでお送りします。

サプリメントを飲む前に「食事」を見直す

アメリカではサプリメントのことを、「ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブ等の成分を含み、通常の食品と紛らわしくない形状(錠剤やカプセルなど)のもの」と定義されています。一方で、日本はどんな定義があるかというと………。
ありません!
サプリメントは、健康食品に分類される食品のことで法律上の定義はありません。

なので、サプリメントを活用するときは、自分でどんな栄養が入っているのかを確認することが大切です。確認して、本当にその栄養が必要かどうかを判断します。

サプリメントの前に、見直すのは、まずは普段の食事です。
野菜、果物、魚などバランスよく食べれているかどうか。忙しい時や、栄養が偏りがちな時に、サプリメントをうまく活用するのがいいと思います。

サプリメントの裏面を見る

日本では、医薬品以外のものはすべて「食品」と表記されます。
効果だけを聞いて飲むのではなく、サプリメントを活用するときは、
①何が入っているのか(成分)、
②どれくらい入っているのか(含有量)、
③誰が作っているのか(問い合わせ先)
を確認します。

とくに、注意が必要なのは、特定の栄養の過剰摂取です。
サプリメントは、不足している栄養素を補ったり、体が弱っている時に栄養を補助して助けてくれるものになるので上手に活用することはとてもいいと思います。しかし、取り過ぎると不調や病気を招くことがあります。

例えば、脂溶性ビタミンといって、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどは大事な栄養素ではありますが、私たちの中に入ると脂肪組織と肝臓に貯蔵され排出されないビタミンがあります。これらは不足するのもNGですが、過剰にとると体に有害になることが明らかになっている栄養素です。

さまざまなサプリメントを摂取していると、知らない間に同じ成分が重複していることもあります。どんな栄養素が入っているのか、自分の目でパッケージに書いてある成分と含有量を確認しましょう。

また、服薬のあるかたは、薬との飲み合わせもありますから医療機関で相談をしてください。

サプリメントは「食品」といえど、副作用があることもあります。また、「自然」「天然」などの表示があっても、アレルギーを引きおこすこともあります。

更年期によく使われるサプリメント

更年期といえば、イソフラボンや、エクオール関連のサプリメントを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これらは、女性ホルモンに似た働きをしてくれる成分です。補うことで不調が改善するような効果が認められています。

一方で、これらもまた、更年期症状を改善する多くのサプリメントに含まれているため、知らないうちにとりすぎていないか確認をしましょう。

厚生労働省と農林水産省のHPでは、納豆や豆腐などの大豆製品も含めて毎日摂取する場合は1日あたりの上限値を75mgと設定しています。75mgは、どれぐらいかというと、納豆であれば2パックくらいです。食事で食べようと思うと結構大変ですけれども、サプリメントを何種類も飲んでると摂取のしすぎということもあります。

まずは、生活習慣の改善!

手軽に栄養を補えるサプリメント。まずは食生活をはじめとした生活習慣を改善していくことが先です。栄養バランスの良い食事をとり、体を動かし、しっかりと睡眠をとる。また、あまりストレスがかかりすぎないような生活をすること。これらが何より大切です。

とはいえ、忙しい日々でご飯がしっかり食べられない、体調が悪くて食欲がないという日もあります。そのような時に、サプリメントを上手に活用するのがいいのではないでしょうか。必要な時に必要な量を。
正しく知って、上手に活用していきましょう。

永田京子

参考:厚生労働省「健康食品の正しい利用法