更年期に体の中で起こること
更年期には、卵巣の機能が低下することから、体の中で女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少していきます。エストロゲンには肌のハリやツヤを保ったり、粘膜の潤いを保ったり、血管や骨を丈夫にする働きがありますから、見た目や、心身の快適さにも大きく影響します。また、エストロゲンが低下すると、自律神経の乱れの症状が引き起こされて、心や体に不調が起こりやすくなります。 いわゆる更年期症状です。
そこで今回は、更年期に伴う症状を軽減する可能性があると言われている、植物性エストロゲン(フィトエストロゲン)を多く含む5 つの食品をご紹介します!
植物性エストロゲンとは、 エストロゲンと似たような役割をしてくれるもので、 自分の体の中で作られるものではなく外から食物などを通して摂取することができるもののことです。
フィトエストロゲン、ファイトエストロゲン、植物エストロゲン、植物性エストロゲン(英:Phytoestrogens)とは、内分泌系により産生されたものではなくフィトエストロゲン植物を摂取したことによる外因性の物質が内分泌された女性ホルモン(エストロゲン参照)のように機能することを意味する外因性エストロゲンのことである
(Wikipedia より)
植物性エストロゲンを多く含む5つの食品
1.クランベリー
赤ワインに含まれる成分として有名ですね。
赤ワインは、アルコールなのでほどほどがいいと思いますが、
これらの「フィトエストロゲン」が豊富な食べ物や飲み物を「適度」に消費することで、心血管疾患や乳がんのリスクを減らすという研究もあります(※)
2. フルーツ(生とドライ)
果物です。たとえばデーツやイチジク、オレンジ、イチゴなど。生でもドライフルーツでもOK!! これらも植物性のエストロゲン食品です。さらに食物繊維、抗酸化物質、ビタミンが豊富ですので、健康にも美容にもいい!そのまま食べたり、ヨーグルトに入れてもいいですし、新鮮な果物はすぐに美味しく食べられるデザートになりますから、食事にとりいれてみるのはいかがでしょうか。
3.ナッツ
ピスタチオ、ピーナッツ、クルミなど、ナッツもフィトエストロゲンが含まれる食品。手軽に食べられ、タンパク質も豊富に補給できます。小腹が空いたらおやつにナッツを食べるものいいですね。
4.亜麻仁(フラックスシード)
植物性エストロゲンといえば、亜麻の種子!
植物エストロゲンが豊富なすべての食品の中で、植物エストロゲン含有量が一番高いと言われています。オメガ 3 脂肪酸(α-リノレン酸)の濃度が高く、食物繊維も豊富で、コレステロールを低下させるはたらきも期待できます。
英語では、フラックスシードっていって売られています。
サラダにかけたり、ご飯にまぜたり、手軽に使えますよ。
5. 大豆
大豆および大豆製品は、更年期向けの植物性エストロゲンが豊富な食品として、日本をはじめアジアで最も研究されています。実は、「日本人女性は更年期症状の割合が低い」と世界から言われているのですが、その理由は大豆が定期的に食べられているからだと考えられているそうです。
(更年期症状の割合がデータ上低いのは、日本人が不調を我慢して声を出していないだけの可能性も…と私は思いますが)
というので、 今回は植物性エストロゲンが豊富な食品をご紹介していきました!
バランスのとれた食事の中で工夫してみてください。
体への効果については研究段階のことも多く、サプリメントで摂取する場合は過剰摂取にならないように、かかりつけ医に相談してくださいね。
更年期を快適に過ごすための、自分にあったケア方法や工夫を探していきましょう!
<参考文献>
Sakamoto, Takako, et al. “Effects of Diverse Dietary Phytoestrogens on Cell Growth, Cell Cycle and Apoptosis in Estrogen-Receptor-Positive Breast Cancer Cells.” The Journal of Nutritional Biochemistry, Elsevier, 3 Oct. 2009, www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0955286309001399.
Gupta, Charu, et al. “Phytoestrogens as Pharma Foods.” ADVANCES IN FOOD TECHNOLOGY AND NUTRITIONAL SCIENCES, vol. 2, 2016, pp. 19–31., doi:10.17140/ AFTNSOJ-2-127.
Colao, Annamaria. “Nutritional Management of Menopausal Women.” Menopause, 2017, pp. 283–299., doi:10.1007/978-3-319-59318-0_18.
Papoutsis, A J, et al. “BRCA-1 Promoter Hypermethylation and Silencing Induced by the Aromatic Hydrocarbon Receptor-Ligand TCDD Are Prevented by Resveratrol in MCF-7 Cells.” The Journal of Nutritional Biochemistry, U.S. National Library of Medicine, Oct. 2012, pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22197621/.