定年後の男性を描いた本、
「終わった人」(著者:内館 牧子さん)を読んだのでご紹介!
主人公の定年最後の日からスタートする小説。
定年すると、「第二の人生のスタート」とか、これからは「好きな趣味を存分に」
などとめでたそうに言われるけれど、主人公は、もう社会からは必要とされない「終わった人」と捉える。
確かに、明日からもう死ぬまで仕事しなくていいですよ〜と言われたら、
一日の過ごし方や自分の居場所に困っちゃうなぁ。。。
『何よりも「余生」という言葉がおかしい。人に「余りの生」などあるわけがない』
その後まだまだ続く「余生」を趣味だけで満足に生きられるかというと、
そんなわけはない。現代の60代は若い。
まだまだ仕事がしたい、自分の力を発揮したいと思うのも当然だ。
現実は、明日からの仕事はない。夢や生きがいもない。居場所もない。
そんな定年を迎えた夫と過ごす妻(の不満)も見事に言葉で描かれていました。
人や社会から必要とされること、
居場所があること、自分の力を発揮することは、
心と体が健康に生きるための必要条件。
そんなことを感じた一冊。
前半、主人公のどんよりしているシーンや愚痴のシーンは、
痛々しくて、読むのに少々エネルギーを使います。
体調のいい時に読むのがオススメ!
価格:972円 |
こちらも読みたい。「すぐ死ぬんだから」(著者:内館 牧子さん)
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