Menopause Survival Guide

更年期!冬の「低体温」に注意

更年期!冬の「低体温」に注意

更年期から体温が下がるのはなぜ?

先日このような質問が届きました。

「昔は体温は36度台だったのに、このごろは体温を計ると35度台。 体温が低い状態はあまり体に良くないと聞きました。体温をあげるにはどうしたらいいんでしょうか??(47歳 女性)」
実は更年期からは、体温が下がりやすくなります。
更年期から体温が下がりやすくなる理由は2つあります。

・筋肉量の低下
1つは、筋肉量の低下です。筋肉の働きというと、物を持ち上げたり、走ったり歩いたりと イメージされると思うのですが、実は筋肉にはその他にものすごく大切な働きをしているんです。それは、わたしたちの体の“熱”を作ること。「熱産生」です。
更年期以降は運動をしないとみるみる筋力が低下してしまいます。
そうすると、体温も維持できず、下がってしまいます。
・女性ホルモンの低下

更年期から体温が下がりやすくなる2つ目の理由は、女性ホルモンの低下です。
女性ホルモンが低下するとその影響で血流が悪くなってしまいます。なので更年期には「冷え性」に悩まれる方も多くいらっしゃいます。 手足が冷えるだけの冷え性だとまだ良いのですが、自覚がないまま深部の体温まで下がってしまうと注意が必要です。

低体温は命に関わることもある!

熱中症というと、テレビニュースなどで見聞きしていると思いますが、実は熱中症よりも、低体温症による死亡者数の方が2倍程度多いことを知っているでしょうか。

厚生労働省の発表によると、2017年の熱中症での死亡者数635人で、低体温症による凍死は1317人。低体温症で凍死だなんて雪山に行く冒険家の話しでは?と思うでしょうか。実は低体温症で凍死のほとんどは屋内で起こっているんです。身近に気をつけなければいけない話なんです。

また、体温が1度下がると免疫力が30%も下がると言われています。
免疫力が下がる理由は、体温が下がり血流が悪くなると体内にウィルスや細菌などの異物を発見しても、その異物と戦ってくれる血液中の白血球が集まりにくいですよね。つまりは、免疫力が低下して、侵入してきたウィルスや細菌に負けてしまいやすくなるのです。

体温を上げるためにできること

・運動
体温を上げて健康になる、最も近道で、最もおすすめする方法は「朝のウォーキング」です。なぜなら、朝は体温が1番低いときだからです。朝に歩くことで1度ほど体温が上昇します。体温が上昇すると生活リズムも整いやすく、1日のポジティブ・ルーティーンができますよ。
歩くときのポイントは、いつもよりも大股で歩くことです。大股で歩くことで普段使わない筋肉を使うので、短時間で体温を上げることが可能になりますし、代謝のアップも期待できます。
・食事
食事の工夫で体を温めることも良いでしょう。体を温めるショウガやネギ、筋肉の材料になる「たんぱく質」、血流を良くする「ビタミンE」が豊富なナッツやかぼちゃなどを毎日の食事のなかでバランスよくとることを心がけてみてください。
・過ごし方の工夫
自宅で簡単にできるスクワットをしたり、体を動かすのが億劫に感じるときには温かい湯船につかるのも良いでしょう。

体温を上げるメリットについて

体温が上がると基礎代謝が上がります。つまりは太りにくい体になるんです。それだけではありません。免疫力が上がるので病気になりにくい健康な体になります。
また、体温が高いと腸の動きが活発になるので便秘の予防にもなりますし、脳への血流も良くなり、記憶力の低下や認知症の予防にもつながると言われています。

生活の中で工夫をして、体温を1度上げて快適にすごしていきましょう!